サイトの紹介

2014年は、世界的画家エル・グレコ(El Greco)の没後400年にあたります。エル・グレコはイタリア語でギリシャ人を意味する“Greco”にスペイン語の定冠詞“El”を付けたものです。本名はドメニコス・テオトコプーロス。1541年ギリシャのクレタ島カンディアで生まれ、その後スペインに帰化しトレドに定住して1614年同地で生涯を終えました。このサイトは16世紀から17世紀にかけて天才的な業績を残した「トレド人」に対し、ささやかな敬意を表すために立ち上げました。

20世紀初め、ピカソをはじめとする当時の著名な人々によって絵画界の偉才として再発見されて以来、エル・グレコに関しては数多くの文書が書かれてきました。一方、このサイトでは主に視覚的な手法を用い、作品の精神性や秀でた人間性の描写に焦点を当てています。エル・グレコの絵は、彼が生きた時代においては卓越して精神性に富んでいました。その精神性は人物の眼、手、ポーズ等に如実に現れていますが、天使の描写においても同様、常に豊に表現され、観る者に鮮やかに伝わってきます。エル・グレコは絵を描く際、ある種の精神的なエクスタシーの状態に至っていたのではないか、と考える人もいます。そうでなければ彼の作品の精神性はこれほどまで我々には伝わってこないのではないか、と思われるからです。

このサイトでは、まず画家の多様な作品を紹介します(主な参考文献:パルマ・マルティネス博士著「エル・グレコ ヒューマニズムの画家 完全版」、ブルゴス、Libsa出版、2005年版)。また、別のページでは彼の作品の細部をより詳しく知り、その素晴らしさを再確認していただくため、人物、眼、手などを切り取った部分画を掲載しています。

最も著名な作品の一部については白黒にしてみました。色彩を省くことによって明暗の階調が作品の精神性をより際立たせ、観る人と作者と作品の関係がより緊密なものになるのではないか、と考えるからです。

最後に、我々トレド住民の古き隣人、巨匠エル・グレコは、彼の業績をこのような形で紹介することに対し、快諾を与えてくれるであろうと確信しています。